第129回 底力

「初日」
「初日」

「YES WE CAN !」や「CHANGE」
をスローガンに、バラク・オバマ氏が第44代の大統領になることが決まりました。
世界が激動の変化を迎える中、最大の軍事力と強力な経済基盤で過去長い間世界のトップとして君臨していたアメリカという国は、自らの力ではどうしようもない新しい波に立ち向かう為に、ハワイ生まれでケニア人を父に持つ彼に未来を託したのです。

2001年9月11日、あの日からアメリカはまるで茶番のような展開で、言い換えればまるでファッションの流行が何年か周期で繰り返されるようにまた戦争をしかけていきました。
私が子供のころ、まったく同じような口実でアジアの小国を攻めていたように。
しかし母国を攻撃されたことのない彼らにとって初めての屈辱的な悲劇の後の審判でさえ、泥沼に自ら漬かっていくような展開を再び選択した彼らに対し、私は当時とても大きな失望を抱きました。

彼が本当に評価されるのはこれからですから、今の時点で聞きかじったようなことを述べる気は毛頭ありませんし、もちろん私はかの国の人間ではありません。
しかし今回の大統領選は60年代のケネディ大統領やキング牧師に代表されるような「理想の国アメリカ」を望む大きな流れとは異なりながらも、いよいよ本当にどうするべきか、ということを真剣に考えたかの国の底力を感じる大統領選だったと将来振り返ることができることを心から望んでいます。

これからの彼らは真剣に自らのことを考えるからこそ、日本にも強い姿勢で臨んでくると思います。
そのとき我々は果たして本当にどうするべきか、と真剣に考えた底力を見せることができるのでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA